婦人科

外陰部のできもの・性感染症・帯下異常

外陰部にできるできものは、もちろん病気のサイン?でも、痛みやかゆみを感じないできものもあり、 病気に感染していることに気づかないケースも多くあります。性感染症はセックスによってうつる病気のことで、大半がコンドームで予防できます。パートナーとともにしっかりと治療に取り組めば治療できるものがほとんどです。感染しても自覚症状のないものも多くあります。定期的な検診を行いましょう。

尖型コンジローマ

主に性交渉によって、HPV=ヒトパピローマウイルス(Human Papilloma Virus)に感染して起こる代表的な性行為感染症(STD)のひとつです。
HPVの感染には、皮膚の表層の細胞ではなく基底層の細胞への感染が必要なため、好発部位は性行為で表皮に損傷を受けやすい外陰部、腟壁、子宮膣部、肛門付近、尿道口です。
【症 状】肛門・膣のイボ、かゆみ。できもの自体に痛みはありませんが、放っておくと増加します。
【潜伏期】3週間~3ヶ月
【原 因】パピローマウイルス感染
【特 徴】少しずつ増大もしくは増加する。再発しやすい。 子宮頚癌の発生と関連性のあるウイルス。

淋 病

淋菌という病原菌が原因で、性行為(口による性行為も含む)によって、感染します。クラミジア同様に生殖器だけではなく、口腔内に感染することもあります。また、菌自体は非常に弱いもので、性行為による接触以外では、ほぼ感染しません。クラミジアと同じく、症状があまりでないことがあります。
【症 状】黄緑の異臭のある帯下の増量。腹膜炎を起こすと、発熱・激しい下腹痛。
【潜伏期】3~9日
【原 因】淋菌
【特 徴】最近増加傾向、咽頭炎の増加、耐性菌の増加→難治性

トリコモナス膣炎

膣内にトリコモナス原虫といわれるものが感染しておこる性病です。悪臭のある黄色から淡い灰色、あわ状のおりものが増えるため、比較的感染に気が付くことが多くあります。日頃の検診が非常に大切です。
【症 状】泡沫状・黄色帯下・悪臭・かゆみ
【潜伏期】3~10日
【原 因】トリコモナス原虫
【特 徴】尿路にも感染を起こす

カンジダ膣炎

おりもの異常を起こす病気の中で最もポピュラーな感染症で、膣内の常在菌である「カンジダ真菌」というカビが異常に増えることによって起きる感染症です。「感染症」と言っても、「性感染症」とは異なりますので、性行為が全くなくても発症します。
【症 状】強いかゆみ、酒かす様帯下
【原 因】カンジダ(真菌)
【特 徴】もともと膣の常在菌で、抗生物質やピルの服用、抵抗力の低下時に増殖する。性的接触で男性からもらうものではないが、女性から男性に感染することもある。誰にでも起こり、再発しやすい。性交のない年齢にも発生するため、性病とは根本的に異なる。

バルトリンのう腫

バルトリン腺とは、小陰唇(しょういんしん)の付け根、膣口の側面にあり、性交時に半透明の粘液を分泌する腺です。
セックスの摩擦や出産時など、何らかの刺激によってバルトリン腺が傷つけられたことが原因でバルトリン腺に分泌液がたまってのう腫となり、膨れ上がります。
【症 状】赤くはれる、ただれる、痛みが生じる。
【原 因】バルトリン腺に大腸菌やブドウ球菌、淋菌などが感染し、炎症を起こします。
【特 徴】ひどくなるとピンポン球くらいの大きさに腫れ上がる場合もあります。

関連記事